ATTO360 パラメータの変更によるパフォーマンスへの影響を測定
3. パラメータの変更によるパフォーマンスへの影響を測定
ここまで説明したとおり、ATTO360では、NICのパラメータを設定することができます。
では、実際にATTO360が設定できるパラメータ（SMB signing、LRO、TSO、Flow Control）の組み合わせで、どのようにパフォーマンスに影響するのか？Tuning Profileは初期状態のまま、判断しやすいスループットの変化を確認しました。
ATTO360サーバ
ATTO360 1.20.0f1
iMAC macOS：Catalina10.15.5
ATTO ThunderLink TLN3-SN3102をTB3で接続
10Gbpsでスイッチに接続
ドライババージョン：1.05.0f1
クライアント1
Windows2012サーバ
Mellanox ConnectX-5を搭載 10Gbpsにてスイッチに接続
iSCSIターゲット
SANBLazeターゲットエミュレーター
ベンチマークソフトウェア
ATTO Disk Benchmark
3.1 TUNING PROFILES Defaultのまま 各種パラメータの変更
Tuning Profilesを初期設定の「Default」のまま、 ATTO360のネットワークインターフェースのパラメータを(SMB signing、LRO、TSO、Flow Control）組み合わせてパフォーマンスを測定してみました。
ATTOのベンチマークの設定は初期設定（インストールしたまま）
File size : 256 MB
Queue Depth/Disk: 1
Write Pattern: 0x000000000
Stream/Disk: 1
Start/End: 512B-64MiB
3.1.1 検証 D-1 すべてのパラメータをOFF状態
ATTO360の設定
SMB signing： OFF
LRO: OFF
TSO: OFF
Flow Control： OFF
測定結果：
Read 最大 367.99 MB/s
Write最大 663.76 MB/s
3.1.2 検証 D-2 「SMB signing」のみON
ATTO360の設定
SMB signing： ON
LRO: OFF
TSO: OFF
Flow Control： OFF
測定結果：
Read 最大 368.73 MB/s
Write最大 715.87 MB/s
3.1.3 検証 D-3 「SMB Signing」と「LRO」をON
ATTO360の設定
SMB signing： ON
LRO: ON
TSO: OFF
Flow Control： OFF
測定結果：
Read 最大 1.05 GB/s
Write最大 683.93 MB/s
3.1.4 検証D-4 「SMB Signing」、「LRO」、「TSO」をON
ATTO360の設定
SMB signing： ON
LRO: ON
TSO: ON
Flow Control： OFF
測定結果：
Read 最大 1.05 GB/s
Write最大 1.01 GB/s
3.1.5 検証D-5 4つのパラメータ全部 ON
ATTO360の設定
SMB signing： ON
LRO: ON
TSO: ON
Flow Control： ON
測定結果：
Read 最大 1.05 GB/s
Write最大 1.01 MB/s
3.1.6 検証D-6 「TSO」のみOFF
ATTO360の設定
SMB signing： ON
LRO: ON
TSO: OFF
Flow Control： ON
測定結果：
Read 最大 1.01 GB/s
Write最大 700.61 MB/s
3.1.7 検証 D-7 「SMB Signing」と「LRO」をOFF
ATTO360の設定
SMB signing： OFF
LRO: OFF
TSO: ON
Flow Control： ON
測定結果：
Read 最大 316.63 MB/s
Write最大 879.74 MB/s
3.1.8 検証D-8 「SMB Signing」のみOFF
ATTO360の設定
SMB signing： OFF
LRO: ON
TSO: ON
Flow Control： ON
測定結果：
Read 最大 960.83 MB/s
Write最大 895.23 MB/s
3.1.9 検証D-9 「LRO」のみOFF
ATTO360の設定
SMB signing： ON
LRO: OFF
TSO: ON
Flow Control： ON
測定結果：
Read 最大 299.52 MB/s
Write最大 900.79 MB/s
3.1.10 検証 D-10 「TSO」のみ ON
ATTO360の設定
SMB signing： OFF
LRO: OFF
TSO: ON
Flow Control： OFF
測定結果：
Read 最大 383.10 MB/s
Write最大 1.08 GB/s
3.1.11 検証D-11 「Fllow Control」のみON
ATTO360の設定
SMB signing： OFF
LRO: OFF
TSO: OFF
Flow Control： ON
測定結果：
Read 最大 299.82 MB/s
Write最大 583.85 MB/s
3.2 TUNING PROFILES High Throughput
3.1では各パラメータを変化させて、おのおのがどのようにスループットに影響がでるのかを確認しましたので、実際に“Tunig Profiles” の「High Throughput」を設定して、先のパラメータの変更を組み合わせて確認しました。ATTO360のネットワークインターフェースのパラメータは、3.1の検証での組み合わせで、Read/WriteのパフォーマンスとRead/Writeのバランスが、一番良い組み合わせと悪い組みあわせの2パターンを試してみました。
3.2.1 検証 HP-1 Defaultで一番よい組み合わせの設定にてHigh Throughputを設定
ATTO360の設定
SMB signing： ON
LRO: ON
TSO: ON
Flow Control： ON
測定結果：
Read 最大 1.11 GB/s
Write最大 1.02 GB/s
考察： チューニング前後の違いは明確には表れなかった。
【チューニング前の同じパラメータ設定での結果】
3.2.2 検証 HP-2 Defaultでワーストの組み合わせ設定にてHigh Throughputを設定
ATTO360の設定
SMB signing： OFF
LRO: OFF
TSO: OFF
Flow Control： OFF
ATTO360のパラメータの設定をワースト状態と同じにして、TUNING PROFILEにて「High Throughput」を選択すると自動的に以下のパラメータはONになりますが、ここでは敢えてそれをOFFにしてワーストと同じ状態にしてみました。
測定結果：
Read 最大 836.56 MB/s
Write最大 569.29 MB/s
考察： チューニング前のワースト設定と比べると、Writeはほぼ変わらないが、Readは約倍程度の数値に向上
全体的にパフォーマンス値は向上している
今回は、パフォーマンス（スループット）の確認だけになりましたが、チューニング（1クリック）で状態を改善できることはわかりました。ATTO360を使用することにより、簡単にパフォーマンスを向上できる非常に有効なツールであると思います。ATTO360のチューニングメニューはほかにも2種類が用意されております。また機会をみて確認していきたいと思っております。