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Infortrend EonStor DSシリーズ 初期接続時の設定

Infortrend EonStor DSシリーズ 初期接続時の設定

Infortrend EonStor DSシリーズをご使用されるホスト(WS, PC, Server)に接続して、RAIDの構築を行い使用
可能な状態にするためには、まずストレージの管理ソフトウェア:SANWatchをホストに導入し、SANWatch
からストレージ(ハードウェア)を認識できるようにならないと設定可能な状態にはなりません。

そのような時、一体どのようにしたら良いのか、設定はどうするのか悩まれたことはありませんでしょうか?

SANWatchを使用してEonStor DSストレージを制御するためには、 ストレージのIP Addressを設定する必要があります。ストレージのIP Addressの設定は、SANWatchのシステム設定で ”static”(固定アドレス)または“DHCP”
の設定を行うことが可能です。
但し、ストレージのIP Addressは、デファルト設定はDHCPになっていますので、無指定の場合はSAS接続されたホストと同様なアドレス、直接ネットワーク・ルータに接続されたDHCP環境の場合は自動的に割り振られます。

ネットワーク環境はどのような状況で使用されますでしょうか?

Network環境によって設定方法が異なりますが、EonStor DSストレージは、非ネットワーク接続の環境でも、
非DHCP接続の場合でも、SANWatchからストレージを認識して、ご使用頂くことが可能です。
但し、SAS接続の場合は、接続するSAS HBAに適合したドライバーの導入が前提となります。

異なったネットワーク環境(非ネットワークの環境、非DHCP接続、DHCP接続)でのEonStor DSストレージに
対してSAS接続する場合の設定方法に関しまして、実際の導入時の設定方法を記載いたします。

 

1. 非ネットワーク環境 – 非DHCP接続でのSANWatchの起動

(1) ホスト~EonStor DSストレージ:SAS接続構成

EonStore DSシリーズ(SAS接続)の場合、非ネットワーク環境とは、ストレージとホスト間がSAS接続(MiniSAS
ケーブルでの接続)されている状態で 、ホストおよびストレージはネットワークに接続されない状態です。

(2) SANWatchの起動

使用するホストに導入されたSANWatchを起動し、IDとパスワード(デフォルト:root)を入力してLoginします。

 

SANWatchはWeb-Based Interfaceで立ち上がり、SANWatch(GUI)の左画面に認識されたEonStor DS
ストレージのモデル名(例:”DS 1016”)がアイコン表示されます。

 

このアイコンをクリックしますと、各種ストレージの状態が階層化されて表示されます。

 

(3)上記のように、ストレージにSAS接続されたホストがネットワーク接続されていない場合は、ストレージ
のIP Addressとして、通常“127.0.0.1”が設定されます。
EonStor DSストレージがホストに導入されているSAS HBAに接続され、OSからは正常に認識されている状態で
SANWatchの画面上でSASストレージのアイコン(DS 1016)が表示されない場合があります。
その場合は、SANWatchの初期画面で”Device List”をクリックし、”Auto Discovery”を実行して下さい。
SASストレージのIP Addressとして、 “IP Address Range from”の欄に、”127.0.0.1” to “127.0.0.1” を入力して
検索を実行します。その結果、SANWatchとSASストレージの通信が成功しますと、SANWatchよりストレージ
を認識することが可能になります。

それでも接続されない場合は、SASストレージの電源はONのまま、ホストシステムの再起動を行って下さい。


*注意事項(1)

EonStor DSストレージが正常に立ち上がるには、数分時間がかかります。
正常に立ち上がっていない状態でホストに接続しますと、ストレージ~ホスト間の通信が確立していないため、SANWatchよりストレージを認識されません。
ストレージは電源ON後、約2分後にビープ音が鳴り、ストレージは使用可能な状態になったことを知らせます。
ストレージが正常に立ち上がっていない状態でホストを立ち上げた場合は、ホストの再起動を行って下さい。

 

2. ネットワーク環境 – 非DHCP接続でのSANWatchの起動

(1) 非DHCP環境でネットワーク接続されたホストに、EonStor DSストレージをSAS接続する場合

 

ストレージのIP Addressの設定がデフォルトのDHCPの場合は、ホストと同一の値がストレージのIP Address
として設定されます。(例: ホストのIP Address: 192.168.10.50)

 

ストレージのIP Addressの設定を”static”にして、ストレージのIP Addressを固定の値にすることも可能です。(例: ホストのIP Address: 192.168.10.80)

 

ストレージのIP Addressの具体的な設定方法は、SANWatchの初期画面の”System Setting”より、
ポップアップされた”System Setting”の画面上で、「Communication」タグを選択後、
「Management Port」を選択して【Configure】を実行します。

 

ストレージのIP Addressの設定画面にて”Static”を選択し、ストレージに対して固有のIP Address,
Subnet mask, Default gatewayの設定を行いますと、数秒後に新しいIP Addressが有効になります。

 

”System Setting”画面の”Communication” / “Management Port”上および “DS xxxx” / “Subsystem Information”の画面上に”Static”として設定したストレージのIP Addressが表示されます。

 

(2) EonStor DCストレージに対して直接ネットワーク接続して構成することも可能です。
ストレージを複数ホストからリモート接続するような場合に有効と思います。

 

ストレージのデフォルトIP Addressは”10.10.1.1”に設定されていますので、ストレージ背面のEthernet管理ポートにご使用のネットワーク・ルーターから直接接続して、ネットワーク環境に合わせてストレージのIP Addressを
設定します。

 

SANWatchの初期画面の”System Setting”を選択しますと、ポップアップ画面:”System Setting” が表示されます。「Communication」タグを選択し、更に「Management Port」を選択して【Configure】を実行します。

 

ストレージの設定画面にて”Static”を選択し、ストレージに対して固有のIP Address, Subnet mask,
Default gatewayの設定を行いますと、数秒後に新しいIP Addressが有効になります。

 

”System Setting”画面の”Communication” / “Management Port”上および “DS xxxx” / “Subsystem Information”の画面上に”Static”として設定されたストレージのIP Addressが表示されます。

 

3.  ネットワーク環境 – DHCP接続でのSANWatchの起動

 

使用するホストのネットワーク設定がDHCPの場合、ストレージのIP AddressをDHCP設定にしますと、ホストのネットワークアドレスは自動的に割り振られ、ストレージのIP Addressの値は、ホストと同じ値が設定されます。

ストレージのDHCPの設定は、SANWatchの”System Setting”画面の”Communication” / “Management Port”を
選択して、【Configure】を実行しますとDHCPの設定が行えます。

 

SANWatchの”System Setting”画面の”Communication” / “Management Port”タグの画面で ”DHCP”として設定されていることを確認できます。

 

“Subsystem Information”の画面上には、”DHCP”接続により、自動的に割り振られたストレージの IP Addressが表示されます。(例:ストレージのIP Address: 192.168.10.50)

 

※DHCP環境で、ホストに接続時、数秒以内にDHCPサーバ経由でストレージのIP Addressが見つからなかった
場合、デフォルトIP Addressとして、”127.0.0.1”がロードされます。

 

*注意事項(2)

EonStor DSストレージのIP Addressが固有のアドレスに割り振られが、その値が不明な場合、
または、前述の設定方法ではストレージが認識できない場合等の対応方法があります。

ホストとストレージの背面にあるシリアルポート間をRS232-Cケーブルで接続し、ホストにターミナル
エミュレータ(Tera Term等)を立ち上げて、ストレージのIP Addressを確認・設定する方法があります。

 

ホストにターミナルエミュレータでストレージに繋がるCOMポートに対してシリアル接続を設定します。
PC Graphic(ANSI Mode)を反転表示させて<Enter>を押します。

 

メニュー画面より、View and edit configuration parametersに移動し、Communication Parameters →Internet Protocol (TCP/IP) → LAN 0を選択します。その後、View and Set IP Addressを選択し、Addressで<Enter>を押すとIP設定が表示されますので、IPアドレスを設定します。

ポイントして、メニュー画面が正常に表示されない場合は、<Esc>キーを数回押して下さい。
「ヘブライ語」の設定以外の場合、表組みの文字化けが発生することがあります。
尚、設定に関する詳細はハードウェアマニュアルをご参照下さい。

以上