データセンター・ファブリックの高速化
NVIDIA Spectrum™ SN5000シリーズのイーサネットスイッチは、データセンターファブリックを高速化することを目的に作られた第5世代のNVIDIAイーサネットスイッチです。ポート速度が10~800Gb/秒に及ぶ SN5000シリーズスイッチは、性能や機能に妥協することなく全てのデータセンターに高速イーサネットを提供します。
ハイライト |
最大ポート速度
800Gb/秒 | 最大フローカウンター
512Kエントリ | 最大アクセス制御 リスト(ACL)
512Kエントリ | ネットワークアドレス 変換(NAT)の規模
100K+エントリ | 最大IPV4ルート
512Kエントリ |
|
SN5000スイッチシステムは、高いパフォーマンス、一貫した低レイテンシ、高度なデータセンターネットワーキング機能のサポートを提供し、クラウドネットワークやエンドツーエンドのデータセンターファブリックに最適な製品です。
NVIDIA Spectrum-4 ASIC(特定用途向け集積回路)を搭載したSN5000シリーズは、ダイナミックで柔軟な共有バッファと予測可能なパフォーマンスを特長としています。SN5000スイッチは、クラウドを高速化し、NVIDIA Spectrum-Xネットワーキング・プラットフォーム、NVIDIA EGX™、NVIDIA DGX™、NVIDIA HGX™、NVIDIA OVX™、およびNVIDIA AI EnterpriseやNVIDIA LaunchPadなどのAIソフトウェアツールを含むNVIDIAプラットフォームを強化するために構築されています。
Spectrumプラットフォームの一部として、SN5000システムは、NVIDIA® BlueField® SuperNICおよびデータ処理ユニット(DPU)、ConnectX®スマートネットワークインターフェースカード(SmartNIC)、LinkX®相互接続を含む、NVIDIAのイーサネットネットネットワーキング技術の全ポートフォリオで事前テストおよび事前検証がなされています。各要素は標準的なイーサネットファブリックと完全な互換性がありますが、エンドツーエンドのスイッチ・ツー・ホスト・ソリューションは、ワークロードの高速化に不可欠であり、AIやクラウドネイティブ・アプリケーションの大規模なスーパーチャージに必要な高性能と革新的な機能を提供します。
SN5000 スイッチは、NVIDIA Spectrum-X ネットワーキング・プラットフォームの主要コンポーネントでもあります。このプラットフォームは、Spectrum-4 イーサネットスイッチとBlueField-3 SuperNICを統合し、AI専用に構築された世界初のイーサネットファブリックとして際立っています。このユニークな設計により、生成AIのネットワーク性能が加速され、従来のイーサネットファブリックと比較して1.6倍の性能を誇ります。さらにSpectrum-Xは、リソースの利用率とパフォーマンスの分離を最大化することで、あらゆるスケールで数千のAIジョブを同時に実行した場合でも、一貫した予測可能な結果を保証します。Spectrum-Xは高度なクラウド・マルチテナンシーを可能にするだけでなく、強固なゼロトラスト・セキュリティも提供します。クラウドサービスプロバイダーにとって、これはAIソリューションの迅速な開発、迅速な展開、市場投入までの時間の短縮につながり、最終的には投資収益率を高めることになります。
柔軟で高性能な構成
51.2 Tb(テラビット)/秒の双方向スイッチング能力を持つSN5000プラットフォームは、様々な構成で利用することができ、それぞれ豊富な機能を備えたレイヤー2およびレイヤー3フォワーディングで高いパフォーマンスを実現します。SN5000スイッチは、160MBのパケットバッファを完全に共有することにより、超低遅延のカットスルーレイテンシでフルワイヤースピードのパフォーマンスを提供し、公平で予測可能なパフォーマンスを実現します。Spectrum-4 ASICの低レイテンシとSN5000システムの大型スイッチ筐体を組み合わせることで、ポート間のレイテンシを最小限に抑えながら、2層ネットワークアーキテクチャで数千台のホストを接続することが可能です。プログラマビリティ、テレメトリ、トンネリングの分野で幅広いイノベーションを追加したNVIDIA SN5000シリーズは、今日のデータセンターの複雑なネットワーキング要件に対応することが可能です。
SN5400
SN5400のスマートリーフ、スパイン、スーパースパインは、2Uフォームファクターで64ポートの400GbEを提供します。SN5400は、1~400GbEの組み合わせで多様なQSFP-DD(Quad Small Form Factor Double Density)接続を提供し、総スループット25.6Tb/秒を誇り、400Gデータセンターのファブリックに最適です。 |
SN5600 SN5600のスマートリーフ、スパイン、スーパースパインは、高密度な2Uフォームファクターで64ポートの800GbEを提供します。SN5600は、高速化されたイーサネットの導入に最適で、トップ・オブ・ラック スイッチによる標準的なリーフ/スパイン設計と、エンド・オブ・ロー(EoR)トポロジの両方を可能にします。SN5600は、1~800GbEの組み合わせで多様な接続性を提供し、51.2Tb/sという業界最高レベルのトータルスループットを誇ります。 |
高い可用性SN5000シリーズは、高可用性を実現するために、以下のハードウェアおよびソフトウェア機能を搭載:
- 1+1ホットスワップ対応電源とN+1ホットスワップ対応ファン
- 色で(エアフローの向きを)識別された電源ユニット(PSU)およびファン
- イーサネットVPN(EVPN)マルチホーミング
- アクティブ/アクティブL2マルチパス用マルチシャーシリンクアグリゲーション(MLAG)
- ハードウェアによるインサービス・ソフトウェア・アップグレード(ISSU)
- 負荷分散と冗長性のための256-wayのイコール コスト マルチ パス(ECMP)ルーティング
|
プラットフォームセキュリティ
SN5000 シリーズスイッチは、すべてのスイッチレイヤーで完全なセキュリティスイートを提供します。ハードウェア、ファームウェア、およびソフトウェアは、BIOS(Basic Input and Output System)から NOS(Network Operating System)に至るまで、内蔵のルートオブトラストによって認証されます。NVIDIAによって元々署名されていない、変更されたコンポーネントやイメージを実行しようとする試みは、自動的にブロックされ、データセンター内の最も安全なネットワークインストールを保証します。
NVIDIA Cumulus Linux
NVIDIA Cumulus Linuxは、世界最大のデータセンターで鍛えられたウェブスケールの原則を使用して、高度な自動化、カスタマイズ、およびスケーラビリティを可能にする強力なオープンネットワークオペレーティングシステムです。Cumulus Linuxは、多様なビジネスニーズに最適なデータセンター・ネットワークを構築するために構築されました。そして、世界最大のデータセンター事業者のようなリーズナブルで効率的なネットワーク運用の構築を可能にする唯一のオープンNOSでありあらゆる規模のビジネスにウェブスケールネットワーキングを提供します。
SONiC
ハイパースケーラー、サービスプロバイダー、企業向けに設計されたSONiCは、完全にオープンソースでハードウェアにとらわれないNOSであり、ベンダーロックインを防ぐのに最適で、次世代データセンターに理想的です。SONiC のコンテナ化設計により、柔軟でカスタマイズ可能なため、顧客は同じネットワーキングファブリック内でSONiCスイッチと非SONiCスイッチを組み合わせて管理することができます。NVIDIA 純正バージョンの SONiC は、流通の制限をなくし、企業がオープンネットワーキングの利点を最大限に活用できるようにするとともに、成功を最も保証するNVIDIAの専門知識とサポートを追加することができます。NVIDIAは、SONiC 運営委員会(Governing Board)および技術運営委員会(Technical Steering Committee)のメンバーとして、SONiC の方向性を導くことを誇りに思っています。このNVIDIA版 SONiC は、すべてのSN5000スイッチ・システムで完全にサポートされています。
Linux Switch
Linux Switchでは、標準的なLinuxディストリビューションをスイッチのオペレーティングシステムとしてネイティブにインストールし、使用することができます。Linux Switch は、Ethernet スイッチ用の Linux カーネルドライバモデル (switchdev) をベースにしています。
プラットフォームソフトウェアオプション
NVIDIA Air
NVIDIA Airインフラシミュレーションプラットフォームは、SN5000スイッチシステム(およびその他のSpectrumポートフォリオ)のデジタルツインを作成します。デジタルツインには、すべてのスイッチとケーブルの論理インスタンスが含まれるため、セキュリティポリシーの遵守、自動化プロセス、監視ツール、相互運用性、アップグレード手順の検証に使用することができます。デジタルツインは、ネットワーク運用モデルを変革する鍵であり、ITアーキテクトやインフラスペシャリストは、継続的インテグレーションと継続的デリバリー(CI/CD)の統合により、ネットワークの展開と更新を最大95%高速化することができます。
NVIDIA NetQ
NVIDIA NetQ™は、リアルタイムでネットワークの可視化、トラブルシューティング、検証を行う拡張性の高いネットワークオペレーションツールセットです。NetQは、コンテナやホストからスイッチやポートに至るまで、データセンターネットワークの健全性に関する実用的な洞察と運用インテリジェンスを提供し、NetDevOpsアプローチを可能にします。NVIDIA NetQは、単一のインターフェイスから深いトラブルシューティング、可視性、自動化されたワークフローを実現するテレメトリを活用する、最先端のネットワーク運用ツールであり、MTTI(Mean Time To Innocence)とネットワークのダウンタイムを短縮します。
NVIDIA Spectrum-4:高速化するデータセンター向けASIC
NVIDIAのSpectrum-4は第5世代のイーサネットスイッチASICであり、性能、仮想化、遠隔測定、およびスケーラビリティ機能の堅実なバランスを提供します。
画期的な性能と機能
パケット・バッファ・アーキテクチャは、スイッチ全体の性能に大きな影響を与えます。Spectrum-4 ASICは、すべてのポートで完全に共有されたモノリシックなパケットバッファを備えており、規模や機能を損なうことなく、すべてのポートのカットスルー・トラフィックをサポートします。その高速パケットバッファにより、Spectrum-4は、ミッションクリティカルなアプリケーションに、高性能で、公平で、ボトルネックのないデータパスを提供します。さらに、Spectrum-4は最も先進的で革新的な機能セットを提供します。これには、NVIDIA Spectrum-XのRoCE拡張や、スイッチからホストまでのエンドツーエンドのナノ秒レベルのタイミング精度といったユニークな機能が含まれます。
一元的な可視化
Spectrum-4は、ネットワークオペレータが問題をプロアクティブに管理し、障害発生からインシデントが特定されるまでの時間(MTTI)と平均復旧時間(MTTR)を短縮することを可能にする、詳細かつコンテキストに基づいたネットワークの可視性を提供します。スイッチSDK、NVIDIAユーザーエクスペリエンス(NVUE)、またはSONiCコマンドラインインターフェイス(CLI)を通じて利用可能なWhat Just Happenedは、インフラストラクチャの問題に関するきめ細かでイベントトリガー情報を提供するために、ベースとなるシリコンとソフトウェア機能を活用します。さらに、Spectrum-4の豊富な遠隔監視情報は、NetQやサードパーティのソフトウェア・ツールやワークフロー・エンジンと統合可能なgNMIのようなオープンAPIやツールを介して容易に利用可能です。
かつてない俊敏性
最新のデータセンター・インフラがソフトウェアで定義された俊敏なものであるためには、コンピュート・ブロックとネットワーク・ブロックの両方が俊敏である必要があります。Spectrum-4は、独自の機能豊富なパケット処理パイプラインを搭載し、パフォーマンスやスケールに妥協することなく、データセンターネットワークの仮想化を実現します。Spectrum-4は、プログラム可能なパイプラインと、最初の512バイトまでのペイロードを処理できるディープパケットパーサーとエディターを備えています。Spectrum-4は、シングルパスVXLANルーティングとブリッジングをサポートします。さらにSpectrum-4は、ルーティングやNATなどの高度な仮想化機能をサポートしています。
大規模スケール
Spectrum-4は、インテリジェントなアルゴリズムと効率的なリソース共有を活用し、フォワーディングテーブル、カウンタ、ポリシーのかつてないスケールをサポートします。
このきめ細かなリソース割り当てにより、Spectrum-4はあらゆる特定のニーズに対応し、最大512,000エントリーをメディアアクセスコントロール(MAC)、アドレス解決プロトコル(ARP)、インターネットプロトコルバージョン4(IPv4)ルート、ACL、ECMP、VXLANトンネルで 動的に共有することができます。