仮想環境でテープを導入するには運用上の課題が多かった
近年、企業のランサムウェア被害が後を絶ちません。本番データだけでなく、バックアップデータそのものが暗号化されたり削除されたりするケースも増加しており、バックアップ戦略の見直しが重要なテーマとなっています。
その中で改めて注目されているのが、「イミュータブル(不変)バックアップ」と、ネットワークから物理的に切り離すことができるLTOテープによるエアギャップ保護です。
しかし、多くの企業ではバックアップサーバを含むシステム基盤の仮想化が進んでいます。
そこで最近よく耳にするのが、
「ランサムウェア対策としてLTOテープを活用したい。しかし、バックアップサーバが仮想環境のため、SAS接続のテープ装置を導入するには環境変更や運用上の課題がある」
という悩みです。
実際、テープ装置を利用すること自体は可能な場合もありますが、SAS HBAのパススルーやホスト依存の構成が必要になるケースでは、仮想化基盤本来の柔軟性や運用性を損なうこともあります。
今回は、そんな課題をスマートに解決する 「ATTO XstreamCORE 8100T」を活用したバックアップソリューションをご紹介します。
1. 現代のバックアップが抱える「2つのジレンマ」
多くの企業(特に複数拠点でデータを保護している企業)のシステム管理者様から、最近このようなご相談をいただきます。
- 課題①:クラウドやNASのバックアップだけでは不安(イミュータブル化の要望)
近年のランサムウェアは本番システムだけでなく、バックアップデータやバックアップ管理サーバも攻撃対象にします。そのため、- データを書き換えできない状態で保存したい
- ネットワークから切り離したコピーを保有したい
- 最終復旧手段を確保したい
といった「イミュータブル化」の要求が高まっています。
- 課題②:バックアップサーバが仮想化されており、物理テープが接続できない
一方で、現在のバックアップサーバは多くの場合、- VMware
- Hyper-V
- Nutanix
などの仮想基盤上で運用されています。
LTOテープは一般的にSAS接続で利用されるため、「SAS HBAの追加」、「PCIパススルー設定」、「ホスト依存構成」などが必要になる場合があります。
つまり、
「テープを導入したい」
「しかし仮想環境の構成はできるだけ変更したくない」
というジレンマが生まれるのです。
2. 救世主「ATTO XstreamCORE 8100T」とは?
この「仮想化」と「物理テープ」の溝を埋めるのが、ATTO XstreamCORE 8100Tです。

一言で言えば、この装置は、SAS接続のテープ装置を、iSCSI対応のネットワーク接続テープへ変換するインテリジェント・ブリッジです。

物理テープ装置はATTO 8100Tへ接続し、バックアップサーバ側は一般的なiSCSI接続として利用します。
そのため、仮想サーバ側へ新たなSASカードや専用HBAを追加する必要がなく、既存の仮想化基盤を活かしたままテープ運用を実現できます。
3. この構成がもたらす4つの強力なメリット
ATTO 8100Tを挟むことで、企業のバックアップ環境は劇的に進化します。
- ① 既存の仮想環境を維持したまま、スマートにテープ運用
- 現在利用しているバックアップソフトウェア
- 既存の仮想化基盤
- 保有しているLTOドライブやテープライブラリ
仮想化基盤の設計を大きく変更することなく、LTOテープを利用できます。ライブマイグレーションや仮想化の柔軟性を維持しながら、従来は物理サーバ中心だったテープバックアップを取り入れることが可能になります。
② WORM機能とエアギャップによる強力なイミュータブル化」
LTOテープの「WORM(Write Once Read Many)メディア」を利用すれば、万が一バックアップソフトの管理者権限が乗っ取られても、過去のデータを書き換えられるリスクはゼロです。さらに、テープをドライブから抜いて保管(あるいはライブラリ内で論理切断)することで、ランサムウェアの手が絶対に届かない「最終防衛線」を確立できます。
③ 2拠点バックアップの柔軟な配置
IPネットワーク(iSCSI)ベースで通信するため、各拠点に8100Tを配置してローカルで高速バックアップを行う構成はもちろん、帯域が確保されていれば、A拠点の仮想サーバからB拠点の8100Tへリモートでテープバックアップを流し込むような、柔軟な災害対策(DR)構成も可能です。
④ 既存資産を活かした効率的なランサムウェア対策
ランサムウェア対策の強化を検討する際、専用のイミュータブルストレージやバックアップアプライアンスの導入が選択肢として挙がることがあります。しかし、それらはバックアップ基盤全体の見直しを伴うケースも少なくありません。
ATTO XstreamCORE 8100Tを活用した構成では、
をそのまま活かしながら、エアギャップ環境の構築を目指すことができます。つまり、「バックアップ環境を一から作り直す」のではなく、既存資産を有効活用しながらセキュリティレベルを向上できる点が大きな魅力です。
特に大学・研究機関・医療機関など、すでにLTO運用の経験や資産を持つ組織にとっては、比較的スムーズにイミュータブルバックアップの強化を進められる選択肢と言えるでしょう。
「大規模なシステム刷新を伴うことなく、既存環境を活かしながらランサムウェア対策を強化できる点も、
本ソリューションが支持される理由の一つです。」
「仮想環境でテープを導入するには運用上の課題が多かった」というのは、もう過去の話です。
ATTO XstreamCORE 8100Tを活用すれば、使い慣れた仮想環境の手軽さと、LTOテープが持つ絶対的なセキュリティ(不変性)を両立させることができます。
昨今の巧妙化するサイバー攻撃から企業の重要データを守るため、一歩進んだ「イミュータブル・バックアップ」を検討してみてはいかがでしょうか。