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「カンテク2019」参加レポート

「カンテク2019」参加レポート

サーヴァンツの小池です。
暑い日が続く今日この頃ですが、夏は放送機器展や内覧会の開催が多い季節でもありますね! もはや放送のIP化は当然の流れとなり、当社も同様の提案をしてまいりましたが、6月4日には関西テレビ放送様主催の「カンテク2019」の”カンテレ技術開発公開展示”ブースにおける”Video over IPデモンストレーション”に参加させていただきました。

来場者数424名で、昨年373名だったそうですから、年々注目度が増しているということですね。

実は、それに先立ち3月に関西テレビ様局内の一室にて、メラノックス社イーサネットスイッチ「SN2010」を中心としたVideo over IPのライブデモを行う機会をいただきました。

SN2010を二台用意し、異なる拠点同士をIPでつなぐイメージでデモシステムを構成。レコーダに記録されたHD映像をSDIから出力⇒SDI to IP変換しスイッチを介し⇒異なる拠点へIP伝送⇒受けたスイッチからIP to SDI変換してモニタへ映像出力。SMPTE ST2110に準拠し、時刻同期のためのPTPグランドマスター装置も稼働するシステム構成が組まれました。

今回の局内デモは、放送技術局 技術推進部 専門部長 栗山様が音頭を取ってくださり実現しました。

栗山様の呼びかけにより、各部署の方々が 入れ替わり立ち替わり入室され、興味深そうにデモをご覧になり、栗山様の説明に耳を傾けていらっしゃいました。近い将来放送設備がIP化されることで、従来の運用形態は維持できるのか、どのような差異は出てくるのか等々。

       

この局内デモを経て、晴れて「カンテク2019」への出展にGOサインが出されました!

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6月4日の本番に向けて、4月以降も関西テレビ様との密なやりとりは続きました。デモ本番の成功をミッションとして、放送技術局の稲垣様と中川様が東京までお越しになり、最終的なデモ構成を詰めて、5月中旬には弊社にて各メーカー様や代理店様に持ち込んでいただいた機材を集約して仮組みを行いました。

メラノックス社と弊社以外では、アイディールシステムズジャパン様、セイコーソリューションズ様、テクトロニクス様、リーダー電子様、デジキャス様、グラスバレー様(順不同)が参加してくださいました。

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そして、「カンテク2019」本番前日を迎え、半月ぶりに各社集結し、再度デモシステムを組み上げました。本番前の少々緊迫した空気の中での作業となりました。

少々苦戦したものの、翌日午後の本番までには何とかセットアップを完了し、最終的に落ち着いたデモ構成がこちらです!

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関西テレビ様によって提示された「実験テーマ」は以下の内容となりました。

① ST2110・ST2022-7でVoIP伝送するために、SWや機材の設定をどのように行うか確認する。

② ST2022-7で映像・音声・ANC信号の冗長切替が行われるか確認する。

③ TS2950・SPG8000A・LT4610 3台のGMを使用して、BMCAによるPTP冗長切替やPTPが断になった場合の動作を確認する。

④ ST2110-40で、ネットQ・放送確認・タイムコード等のANC信号が伝送される事をWFで確認する。

⑤ IS-04による機器認識とIS-05による信号切替ができるか確認する。

⑥ GPSロックしたSPG8000A・LT4610とPTPロックしたSEIKO SGPのBBのタイミングをオシロスコープで確認する。

VoIP: Video over IP、BMCA:Best Master Clock Algorithm、ANC:Ancillary、 SEIKO SGP:SEIKO社Sync Generator PTP、BB:Black Burst (signal)

デモシステムの島だけで完結させるのではなく、せっかくのIP化のメリットをアピールするため、実際に関西テレビ様上階にあるマスター室から光ケーブルで直接受けた映像信号を使ったり、大変有意義な実証実験ともなりました。おかげ様で盛況だった展示会場の中でも、なかなかの高い注目度であったと感じます。関西テレビ様と同業の他局の方々が何名も立ち寄ってくださいました。

       

栗山様、稲垣様をはじめ関西テレビ様関係者のみなさま、このような機会をいただき改めまして感謝申し上げます!

また、機材提供をいただきましたメーカー様・代理店様の方々、ご協力くださりありがとうございました。

放送設備のIP化にはまだ時間がかかると考えられますが、徐々にその機運が高まっていることを改めて実感する場でありました。

尚、本デモ構成で採用された「メラノックス製スイッチ+Embrionix社SFPタイプSDI to IPゲートウェイ製品」のVideo over IPソリューションについての記事を、技術コラムとして近日公開する予定です。ご期待ください!